防災とレジリエンス
震災後、心の復興に関する研修会に参加してきました。
その中で、ある研修会で聞いたフレーズをよく覚えています。
”私たちは日常的にセルフケアをする習慣がなかったり、それを意識して生活していない”
何か自分の心が大きく負の方へ振れた時、どんな考えや行動でその振れを戻していくか。(レジリエンスを発揮するか)
それぞれが自己流で、時に不適切な行動をとりつつ(暴飲暴食とか)試みているのが現状のような気がします。
防災のWSに参加することも多いのですが、緊急期のことを考える(備蓄食料どうするや避難所運営どうするなど)ものはありますが、日常期の心のケアをどうするか、の視点が抜け落ちていると感じています。
”平時にできないことは、有事にもできない”
物の準備に限らず、心の面でも言えること。
何か新しいことを始めるのでなく、今ある自分の日常の行動をレジリエンスの視点からリフレクションすること。
そうした視点で日常を見ると、好きなことをしたり、身体を動かしたり、誰かとおしゃべりをしたり。
日常的にしている当たり前のことが、実は自分の心を支えていることに気付かされます。
readynessをつかむ
活動(アクティビティ)を実施する際に、どんな視点を持って活動を選ぶか。
心や身体の準備、またはその活動をやり遂げる身体能力、認知能力、発達段階などに配慮して活動を選びます。
例えば、アクティビティ中に使うソーシャルスキルが多いほど、活動難易度はあがります。
「誰とでもいいのでペアになる」という活動をしたとします。
そこには、「選択(誰を選ぶか)」「決定(誰に決めるか)」「主張(お願いする)」「妥協(あきらめる)」「受け入れる」などが内包されていたりします。
普段からの様子を見て、「なぜ」するのかとともに、「何を」対象者に「どう合わせて」提供していくかを考えることは、安心な学びの場をつくっていく上で大事な要素だなぁ、と思います。
ついつい、遊びの場だとそうしたことを忘れてしまうんですけれども。
提供したアクティビティをグループが達成できなかったり、イマイチ乗らなかったりした場合、readynessの視点から活動を見直すクセをファシリテーターとして常に持っていたいです。
サードプレイスの要素
サードプレイス=家、職場(学校)以外の第三の場所。
この言葉を初めて聞いたのは、妻が学生時代バイトをしていたスターバックスの話から。
震災後、地元石巻でフリースクールの立ち上げにかかわったり、子どもたちが積極的にまちづくりに参画する活動をサポートしたり、学校の先生たちを主な対象とした研修会を開いたりするなど、サードプレイスづくりをしています。
サードプレイスが持つ要素って?を自分の経験からあげると。
⑴利害関係がない(もしくは薄い)他者の集まりということ。ななめの関係。
⑵安心安全が保障されている場であること
⑶非日常的な空間(会場の立地が生活圏内にない)
⑷共通の目的を持って集まっている
⑸異業種、異年齢の集まり
⑹食べ物を介した交流がある
⑺何かを生み出す、つくり出す環境
⑻お互いにとっての成長の場
⑼誰かの役に立つ
⑽役割(親、妻や夫、子、職業上の立場)を横に置いておける
(11)いつ来てもいいし、いつ来なくなってもよい、が保障されている
(12)お互いの自由が保障されている(思い思いに過ごせる)
(13)自分が好きなことができる
そこにいる人たちが安心安全を感じ、自分らしく時間を過ごせるように。
以上のことを気に留めながら場づくりをしています。
他にも要素はありそうです。
最初に何しよう?
研修会という短い時間の中で、どう学びの環境を整え促進していくか。
そのツールとして、アクティビティを好んで使っています。
このアクティビティ、様々な要素が抜け落ちると、やって終わりのものになってしまうことがあります。
「あ〜楽しかった。で?」みたいな。
(それ自体だけでも非常に楽しく、魅力的な活動なんですが)
アクティビティに対するこうした誤解?をどう払拭し、楽しさにプラス学びを加えていくか。
いつもいつものテーマです。
これから始まる活動への期待感やアクティビティに対するイメージを持ってもらうために、最初に何をするかは特に気をつかいます。
参加者の方は場や人への緊張もあるでしょうし、プログラムへの期待と不安もあるでしょうし。(アイスブレイクがアイスメイキングにならないように)
自然と会話が起きたり、エラーを笑いあえる活動は特に好んで使っています。
人それぞれ、アクティビティを提供する体験を重ねていくにつれ、自分好みのアクティビティが見つかっていくような気がしています。
さあ、最初に何しよう?
場を開くにあたってのあれこれ。
場を開く際に頭に入れておきたいあれこれ。5w1hで。(以前facebookでアップしたもの。明後日の主催セミナー開催にあたり、自分のチェックのために再度アップ笑)
【いつ】
・時間帯(朝or昼or夜)
・平日or休日開催
・開催時間
・休憩時間をどう組み込む
・会場までのアクセス時間
・他の大型イベントの有無
【どこ】
・下見の有無
・会場予約
・会場費
・会場の広さ
・部屋の明るさ
・冷暖房機の有無
・飲食の可否
・会場の立地/アクセスのよさ
・会場/近隣駐車場の有無
・開催場所が屋内or屋外
・ランチする場所
・会場設備(トイレ、コピー機の有無など)
・コンビニが近くにあるかどうか(足りないもの、忘れ物の買い足しのため)
・ホームorアウェイ
【だれ】
※講師
・講師有無
・プロフィール確認/謝金/宿泊手配/交通手段確認/懇親会設定/送迎/書籍の有無
・事前打ち合わせ
※参加者
・人数
・性別/男女比
・年齢
・初参加orリピーター
・服装/足元
・職業
・交通手段
・意欲/知識
・心身の状態
・子ども預かりの有無
・懇親会出欠確認
・キャンセル対応
※運営側
・協力してくれる人の有無と人数
・謝礼の有無
・事前打ち合わせ(直接、メール、Skypeなど)
・役割分担(進行、議事録、カメラマン、参加者連絡係、受付など)
・情報の共有(目的の確認、進め方など)
・道具の準備
・広報(告知/告知媒体)
・振り返り
・名簿/アンケート作成
・当日連絡人/連絡先
【なに】
・飲食関係(お弁当準備の有無、お菓子、飲み物、スプーン、マドラー、コップ、紙皿、ポッド、テーブルクロス、ゴミ袋、ふきんなど)
・演出(音楽、香り、装飾関係)
・事務(机、イス、机イスの配置、マイク、PC、延長コード、カメラ、録音機、投影機、資料、案内表、名札、名札ケース、ボールペン、マーカー、イレーサー、メンディングテープ、模造紙、コピー用紙、プロッキー、ふせん、バインダー、ぞうきん、お釣り、金庫)
・衛生グッズ(救急セット、ティッシュペーパー、トイレットペーパー)
・防災グッズ
【その他】
※環境(気温、空調、天候、日陰)
見える化するとたくさんあるもんですね...。
本業をしながらの同時進行だと、非常に大変。
でも、確認表があるとモレは少なくなりそうです。
他にもまだあるかな?
料理とファシリテーションと
普段、アクティビティ(広義に体験活動の意)を通してファシリテーションやコミュニケーション、チームワークなどについてのプログラムファシリテーターをする機会があります。
また、個人的に料理を作るのが好きなんですが、そこで見えてきた共通点を。
”(アクティビティを通した)プログラムをファシリテーションする、とかけてコース料理と解く”
その心は...。
・外的要因(店構え、内装)が醸し出す雰囲気
→自分がプログラムの目的とするところを外的要因にも反映させる(例:安心安全な環境をつくるのに、お茶コーナーを設けるとか、開始時間までの緊張感を和らげるしかけを何かするとか)。
・気持ちのよい接客
→お客様の時間を邪魔せずさりげなくサポート。
・お通し
→その日のプログラムへの期待感を高める、プログラムの目的を暗示するような何かを始めに持ってくる。
・料理を出す順番。あらかじめ決められた流れはある。ただし、食べられる食材・好み・体調・年齢などに応じて臨機応変に変える。
→自分が決めたプログラムをやり通す、ではない。臨機応変にその場で対応。そのためにはある程度の引き出し必要
・料理を出すタイミング
→何故、今その活動なのか、自問自答。
・素材のよさを生かした調理。
→活動を楽しく安全に行うための変えてはいけない部分と変えていい部分。
・旬がある
→NEWではなく、FRESH。
・素材の組み合わせ
→ありとあらゆることはアクティビティになる
料理もファシリテーションも相手があってこそ。
同じ味の料理を再現するのが難しいように、ファシリテーションも一期一会。
ともによい時間が過ごせるよう、終わりのない自問自答の時間が生みの苦しみでもあり楽しさでもあります。
ファシリテーションと料理との関係を別な言葉に言い換えても当てはまること、多いのではないでしょうか。
ブログ開設
ブログを始めました。
特にやるぞ!という意気込みなく始めたので、さあどうなることやら。
自分が関心あるテーマのことをアウトプットする場にしていこうかと思います。
もしよければのぞいて見てください。2017.1.9