「レジリエンススキル〜今ここ〜」
震災からまもなく6年。
こころの回復について自分の体験したこと、感じたこと、考えていることを投稿します。
(以前facebookで投稿したもの)
災害時に限らず、逆境に立たされた時に、こころをどう回復させていくかの一つの事例となれば幸いです。
震災後、失った過去(物・人・故郷・思い出)に思いを巡らせる日々が続きました。
それと同時に、「この先どうなってしまうのだろう」という未来への暗然とした不安が心を覆っていました。
気持ちが過去と未来の間を行き来し、ただただ不安な毎日を過ごしていたのを覚えています。
人と話をすると、ついつい言葉に出てくるのはその不安感。話をすること自体はケアのために必要なことですが、繰り返しになるとそれはそれでお互いにとってしんどい時もありました。
ある仮設住宅の集会所での話しです。
その仮設集会所でも、大変な喪失感を持った方々が自分の思いを友人やボランティアの方々に打ち明ける光景が見られました。
そうした状況の中で、ある取組みが始められました。主にお母さん方でしたが、震災によって使えなくなった漁網を使って、ミサンガを作り始めたのです。
作業に集中している間は、震災の話も、先の見えない未来への不安もほんの一時忘れる時間になったといいます。
また、「ここ、なじょすんの?」「こうすんだっちゃ!」など、作業をしているからこそ生まれる何気ない会話に笑い声が生まれたり、人との関係が生まれたりすることもありました。
災害があってから大切なのは、できるだけ早く非常事態・非日常生活から日常生活へシフトチェンジすること。
そのための一つの方法は、日常的に夢中になっているもの、好きなことに没頭すること(今ここを感じる)ではないかと思います。
それは何も特別なものではなくていいと思います。(読書、ジョギング、手芸、料理etc・・・)
日常的にしているもの・好きなことをして、「今ここ」に没頭すること。
見方を変えると、それ自体が自分の心を回復へ向かわせるレジリエンススキルとなっている、そう感じています。